【植物図鑑】サンキライ(サルトリイバラ)

 

クリスマスにも大活躍、お花屋さんで冬の赤い実といえば「サンキライ」。

きれいにドライになると長くもつので、プランツジュエリーでも活躍しています。

 

ところでなぜ 「サンキライ(サルトリイバラ)」 と書いているのか。
ちょっと長くなりますが、ご説明しましょう。

 

この植物、じつは正式名称は「サルトリイバラ」。
サルトリイバラ科シオデ属の多年生植物で、学名は Smilax china

中国や朝鮮半島、日本にも自生しており、お花屋さんに出回るものも
国産と輸入品があります。

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これは国産のサルトリイバラ。実がつやつやです!

もとは根茎が漢方として使われていたもので、生薬名は「菝葜(バッカツ)」といいます。

 

そして中国に、近縁種である「ケナシサルトリイバラ」という植物があります。
こちらも漢方として使われ、生薬名は「土茯苓(ドブクリョウ)」。

同じくサルトリイバラ科の植物で、学名は Smilax glabra

山に入った病人がこれを食べ、元気に回復して戻ってきたことから
「山帰来(サンキライ)」という俗称がついたのだそうです。

ところでこの smilax glabra の方は、日本には自生していません。
なので、先ほどの写真は「サンキライではない」ことになります。

ところが、日本のサルトリイバラの方も、俗称として「サンキライ」と呼ばれています。

・・・ややこしいですね。

 

ケナシサルトリイバラ=土茯苓(ドブクリョウ)=smilax glabra (中国に分布)

サルトリイバラ=菝葜(バッカツ)=smilax china (中国・日本等に分布)

どちらも「サンキライ」の俗称がある、というわけです。

 

江戸時代から、ドブクリョウ(サンキライ)は生薬として中国から日本に大量に輸入されていた記録があります。
日本に自生していた、近縁の植物(サルトリイバラ)も、ドブクリョウの代用として使われており、
呼び名も混同していったということでしょうか。(推測)

 

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現在お花屋さんで販売されているものは、輸入も国産もどちらも
間違いなく「サルトリイバラ」なのですが、「サンキライ」という名前で流通しています。

輸入はほぼ中国からですが、市場に送られてくる箱には、「山帰来」としっかり書かれています。

 

長々と書きましたが、そういうわけで
日本のお花屋さんで注文する場合は、「サンキライ」と言ったほうが伝わりやすいです。

輸入ものと国産では、収穫のタイミングが違うのか、色合いがけっこう変わります。
いろいろ観察してみてくださいね。

プランツジュエリーにする場合、実がきれいにドライになるかどうかがポイントですが、けっこう見分けが難しい。

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乾燥すると、しわしわになってしまうものもあります。

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ところが、しわしわにならずにドライになるものもあります。おそらく、収穫時にある程度熟していたものは、形が崩れることなくドライになるのではないかと。

色はドライになってから徐々に変化していきます。右側は、1年以上経ったもの。

 

 

ドライになってからでもワイヤーはかけられるので、綺麗にドライになったものを選んでプランツジュエリーにするのが良いかもしれません。

 

夏に出回るまだグリーンのサンキライ。フレッシュで数日楽しむことはできますが、こちらは確実にしわしわになります。

 

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サンキライ(サルトリイバラ)

Smilax china
サルトリイバラ科シオデ属 多年生つる性低木

切花としての出回り時期:10~1月

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